今年の7月下旬のことです。
両膝が痛い患者さんがご紹介で来院しました。
経験上かなり進行した膝痛です、当然 病院での治療は受けています。
上向きに寝ていただき膝を90度位曲げると強い痛みが出ます。
病院では人工関節置換術も視野に入っていると想像できます。
膝が90度以上曲がらないのは、膝がだけではなく股関節も曲がらないのです。
お灸専門の当院にいったい何ができるのでしょうか。
この業界に30年いれば大体のやり方は分かります、膝が痛ければ膝周囲にマッサージ
電気 鍼 灸あるいは骨盤矯正などでしょうか。
色々試してみたが駄目で、結局人工関節置換術を決意するという流れでしょう
では この膝痛の患者さんに対する当院のお灸です
まず、私が考案したローラーで背骨の歪み(サブラクセーション)を見つけ
印を付けます、当該患者さんは胸椎の上部(肩甲骨の間)に
負担が掛かった形跡がありました。
大きな手術を受けておられるので その影響かと推察します。
印を付けた灸点にお灸をします。(残念ですが写真はお見せできません)全部で12か所にお灸をしました。
最初の半月は週2回 二ヶ月経過した現在は週1回のお灸となっています。
現在は杖を使用せず歩く事が出来、畑仕事も出来るとのことです。
90度以上痛みなく曲げられる様になっています。
何故 背骨のお灸で離れた膝の痛みが改善するのでしょうか
この10年位前から先進国で認識され始めた膜組織(ファシァ)の存在があると考えます。
ファシアの説明は簡単にできませんが、丈夫なコラーゲン線維と柔軟なエラスチン線維で成り立ち 潤滑油のヒアルロン酸(皆様聞いたことがある)とプロテオグリカンを豊富に含んでいます。成人のファシアは25億もの神経終末を含み、ファシア内を痛みが伝播する事が確認されているそうです。
もしかしたら
過去のものとされているお灸が 最先端の施術になる可能性があるかもしれませんね。
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