自律神経科学 × 鍼灸臨床
― 新しい治療のかたち

近年、医学研究において「自律神経と健康との関係」が明らかにされつつあります。

その中で注目されるのが、スティーブン・ポージェス博士によるポリヴェーガル理論です。

人間の自律神経は、ストレスや環境に応じて複数の神経回路を切り替え、心身の状態を大きく左右するとされています。

当院では、この理論を背景に、鍼灸の温熱刺激を用いて腹側迷走神経の働きを活性化し、自律神経を通じて痛みの改善を目指す独自のアプローチを実践しています。

実際の臨床では、

• 坐骨神経痛による歩行障害が軽減した例
• 変形性膝関節症で階段の昇降が可能になった例
• 慢性腰痛により夜も眠れなかった方が安眠を取り戻した例

など、多くの改善が確認されています。

原因不明の右上腕部の痛みが
2回のお灸で回復した症例

半年くらい前から首から右上腕部の痛みと右指先の痺れが出現し、息をしても痛みが強くなるくらい痛いという60代女性患者様の症例です。

整形外科、整骨院、整体院など転々としたそうですが痛みは改善されず当院の口コミをみて「わらにもすがる気持ち」で電話をしてくれたそうです。

この言葉だけでも、痛みが強くとてもつらかったと予想できます。

当院で検査したところ、この患者様は右則の交感神経緊張タイプだということが分かり、腹側迷走神経領域を中心に丁寧にお灸したところ3回目のお灸で痛みが無くなっています。

動画でご本人もおっしゃっていますが、2回目のお灸から効果が出始めて、3回目には痛みがなくなっていますが、時々右指先の痺れがでたりするので、月1回の通院をお願いしています。

交感神経は体の正中線から左右に定規で線を引いたように分かれていて、このどちらかの交感神経が緊張することで体のどこかに痛みができることがあります。

特に慢性的な肩こりをお持ちの方はこの傾向が強く、原因が特定できない痛みに変わってしまう場合がありますので、ご自分の症状に当てはまった場合は今すぐお電話ください。

足の痛みで動けなくなった方が、
1回のお灸で回復した症例

自宅で急に足に力が入らなくなり動けなくなってしまい、救急車で病院に搬送された30代男性患者様の症例をご紹介します。

搬送先の病院では特に異常なしと診断され帰宅したのですが、左足の痛みが引かず翌日に整形外科を受診したところ「脊柱管狭窄症」と診断されました。

投薬治療でも左足の痛みは引かず、整形外科以外に他の鍼灸院でも鍼治療を行いましたが、痛みは緩和されることなく仕事を休むことになってしまい、当院に連絡がきました。

当院で確認したところ、背側迷走神経の緊張状態からくる血流障害による痛みではないかと推測し、腹側迷走神経を活性化させることに重点を置いて施術を行ったところ、一回のお灸で仕事に支障が出ないレベルまで回復しました。

自律神経系に不具合が生じると、血流障害による痛みが起こることがあります。体温低下や心拍数減少などが起こることもあり最悪の場合背側迷走神経がシャットダウン状態になってしまうこともあります。

当院ではこのような状態の患者様を中心に、従来の「痛みの部位だけを施術する鍼灸」とは異なり、自律神経科学と鍼灸臨床の融合により、全身の神経ネットワークに働きかける新しい治療のかたちを追求しています。

病院や、整骨院などに通っても改善されなかった痛みや、病院で診断がつかないような、原因が分からない痛みでお困りのかたは、一度当院にご相談ください。

お役に立てるかもしれません。

諏訪市や伊那市、長野市など遠方から来院されても、月に1～2回のお灸で改善がみられますので、コスト的にも損はしません。